介護業界への想いー介護にかかわるすべての人を笑顔にー

自己紹介

介護業界との出会いと決意

私が介護業界で働くようになったのは、2019年4月1日。当時の菅官房長官が「令和」の額縁を掲げた日で、東京の本社で簡単な入社式を終えたあと、先輩2人と同期の2人、計5人でランチを食べに行ったことを今でも鮮明に覚えています。

その会社は、全国で介護施設を展開する大手介護会社を親会社に持つ、介護職専門の人材紹介会社でした。紹介の多くはその親会社の施設で、他法人への紹介はごく一部。求職者の希望や経験をもとに提案を行いながら、徐々に紹介先の施設長との関係が深まり、彼らのリアルな悩みを聞くことが増えていきました。

「人手不足で採用してもすぐ辞める」「夜勤に入る人がいない」「本社の稟議が通らない」など、介護現場の厳しい現実を聞くたびに、なんとかしたいという想いが芽生えてきました。その時の自分にできることは、ひとりでも多く採用すること。可能な限り面接に同席し、施設長の人柄や現場の雰囲気を丁寧に求職者へ伝えることで、安心して入社してもらえるよう努めました。大阪・兵庫・京都・滋賀での面接同席は200件を超えました。

しかし、せっかく入社しても同じ数だけ辞めていくという現実に直面し、採用だけでは何も変わらないと痛感したのです。

定着支援への転換とキャリアコンサルタント資格の取得

「採用も大事だけど、それ以上に定着がもっと大事」。そう思うようになり、入社後のフォローに注力するようになりました。家庭の事情や健康状態などでやむを得ず辞める方もいれば、しっかり話を聞いて寄り添えたら、続けられたかもしれない方もいる。

そこで、傾聴やカウンセリングのスキルを本格的に学ぶため、国家資格キャリアコンサルタントを目指しました。以前は「採用業務には必要ない」と思っていた資格でしたが、介護職の方と向き合う中で、その必要性を強く感じるようになったのです。

独学で学び、2023年3月5日に学科試験を、3月19日に実技試験を受験し、一発合格。学科86点、論述B判定、面接はオールA評価でした。

とはいえ、すぐにキャリアコンサルタントとして独立したわけではなく、引き続き人材紹介業務を続けながら、1on1面談などを通じて傾聴力や支援力を磨いていきました。

現場理解を深めるための挑戦

支援の質を高めるには、介護現場のリアルを知らなければならない。そう思い、介護初任者研修を受講。毎週土曜日に3か月間、学校に通い2023年12月17日に修了。学びを通じて介護職の世界に一歩近づけたことがうれしく、同時に「ここがスタートだ」と感じました。

しかし、実際の介護経験はまだありませんでした。そこで、スポットワークアプリ「タイミー」「カイテク」で「初心者OK」の求人を探しました。実際に「初心者OK」と書かれた有料老人ホームの求人を見つけたものの、応募するまでには2~3日間悩みました。「自分にできるのか」「現場で迷惑をかけてしまうのではないか」と不安が頭をよぎり、なかなか決断できなかったのです。それでも、介護職の方々を支援するためには現場を知らなければならないと自分に言い聞かせ、勇気を出して応募しました。初勤務当日は施設の前を3往復もしてしまうほど緊張しましたが、スタッフの方々が親切に教えてくださり、トイレ介助などの業務を無事に終えることができました。

その後も同じ施設で経験を重ね、おむつ交換、食事・入浴介助、機械浴まで任されるようになりました。利用者の方々とのふれあいを通して、名前を覚えていただいたり、「ありがとう」と声をかけてもらえたりすることが、何よりの励みでした。

しかし、そんな中で時に訪れる別れの場面も経験しました。

間隔があいたある日、普段からよく話してくださっていた方の居室が空になっていたとき、胸が締めつけられるような気持ちになったのを今でも覚えています。介護の現場では、こうした悲しみと向き合う瞬間があることも、自分の中に刻まれました。

それでも、かけがえのない現場体験であったことに変わりはありません。

また、現場で介護職として働くことで、現場の人間関係や経営層との温度差を肌で感じることができました。スーツを着て現場に行っていた時には聞けなかったような、現場のリアルで率直な声も多く聞かせてもらいました。同じユニフォームを着て、同じ立場で働いたからこそ、正直な声が聞けたのだと思います。この経験が、私の支援の軸となっています。

「介護にかかわるすべての人を笑顔に」

現在は、紹介会社から親会社である介護運営会社に異動し、本社で中途採用を担当しています。そこで企業としての考え方にも直接触れることができ、より多角的な視点で介護現場を見ることができるようになりました。

企業本社、施設長、現場職員、利用者様とそのご家族。それぞれの立場で異なる考えや想いがあります。しかし、共通しているのは「幸せに平和に暮らしたい」という願い。このシンプルで力強い願いを、私は誰よりも大切にしたいと思っています。だからこそ、「介護にかかわるすべての人を笑顔にする」ことを、私は人生をかけたミッションに掲げています。

介護の世界では、誰かが欠けても成り立ちません。企業本社、施設長、介護職員、利用者、そしてそのご家族。どれもが必要な存在であり、それぞれの立場で日々、葛藤や苦悩を抱えながらも一生懸命に向き合っています。私はその全員の「想い」に寄り添いたい。まずは、「介護職員のリアル」を発信すること。そして、「介護が好きなのに辞めてしまう」人を少しでも減らすこと。それが、私にできる最初の一歩だと信じています。

「辞めてもいいし、続けてもいい」。これが私の変わらぬスタンスです。無理をして心と体を壊してしまう前に、一度立ち止まる勇気も必要です。でももし、その中で「やっぱり続けたい」と思えたなら、私は全力で背中を押したいと思っています。

介護の仕事は本当に尊く、やりがいのある仕事です。だからこそ、私はこの仕事に関わるすべての人に誇りを持ってほしい。私自身も、今の支援という役割を全うした後は、現場で介護職員としてお手伝いしたいという強い想いがあります。そのためにも、今後もできる限り現場に足を運び、スキルを磨き、現場の声を聞き、多くの介護職の方々と対話を重ねていきたいと考えています。

最近、介護福祉士実務者研修も修了しました。介護職としても、少しずつステップアップしていきます。まだまだ学ぶべきことは多く、現場から教わることばかりです。でもその学びが、私の原動力になっています。

挑戦はまだまだ続きます。「介護にかかわるすべての人を笑顔にする」その日まで。私は歩みを止めることなく、情熱を持って、前に進み続けます。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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