はじめに
「お前、それでこの先10年、生きていけるのか?」
あのとき先輩に言われた一言が、今でも胸に焼きついています。
当時の私は、なんとなく副業で稼げたらいいなと思って、アフィリエイトのブログを読み漁ったり、SNSで「こんな働き方もあるんだな」と誰かの投稿に見入っていたりしていました。
会社に縛られず、自分のペースで働いている人たちを見ては、「ああなれたらいいな」と心が揺れる。
勢いで『夢をかなえるゾウ』を手に取り、「まずは靴を磨け」という一節にやる気をもらい、一心不乱に靴を磨いた日もありました。
でも、数日後にはまた別のノウハウに気を取られてしまう。
「これなら続けられるかも」と思ったことが長続きしない。
結局、何も形にならないままモヤモヤだけが積み重なっていきました。
いま思えば、私が迷っていたのは、“手段”ばかりを追いかけて、“目的”が決まっていなかったからです。
転職サイトやSNSのタイムラインを眺めていても、
「どの業界が伸びるか?」
「どうやったら好きなことで食べていけるか?」
といった情報が日々流れてきます。
でも、それらは“手段”にすぎません。
“どこに行きたいか”が決まっていなければ、どんな手段を選んでも、また別の選択肢に目移りして、気づけば足踏みしてしまう。
だからこそ、今日は「決断が先、方法は後」という、シンプルだけれど最強の原則をお届けします。
この記事を読み終える頃には、“手段探し”の迷路から抜け出し、自分だけのスタートラインに立っているはずです。
1. 手段から入ると、目的がぼやける
「何をすれば稼げるか?」
「どうやれば今より楽に生きられるか?」
──そう考え始めるのは、ごく自然なことです。
仕事が忙しい、将来が不安、家計にゆとりがない。
そんな中で、何とか突破口を見つけたくて
「副業 おすすめ」
「伸びる業界」
「40代 転職 成功例」
とGoogleの検索バーに入れてみる。
SNSではフリーランスの生活を楽しんでいる人の投稿に、ふと心を奪われる。
「この人、自由そうだな。自分もこうなれたら……」
私たちは、“現状から脱したい”という気持ちを出発点に、手段を探し始めます。
でも、その時に見落としがちなのが、「そもそも自分は何を実現したいのか?」という問いです。
手段は「乗り物」、目的は「行き先」
例えば、あなたが車に乗ろうとしているとしましょう。
「この車は速い」
「あの道は渋滞してない」
と、乗り物やルートの情報を集める前に――
本当は一番最初に確認すべきなのは、「どこに行きたいのか」です。
目的地が決まっていなければ、
・速くても、全然違う方向に進んでしまうかもしれない
・便利そうな道を選んでも、どこかで引き返すことになるかもしれない
つまり、どれだけ優れた方法も、“目的”が定まっていなければ、意味をなさないのです。
よくある“迷子の思考ループ”
目的のないまま手段を探すと、多くの人は次のようなループにハマります。
- SNSやYouTubeで、今話題の稼ぎ方・成功法則を知る
↓ - とりあえずやってみるけど、成果が出ない・続かない
↓ - 「やっぱり自分には向いてないかも」と諦める
↓ - 別の手段を探し始める
↓ - 1に戻る(無限ループ)
このループに共通しているのは、手段が“目的”になってしまっているということです。
本来は
「家族との時間を増やしたい」
「子どもの進学に備えて年収を上げたい」
といった“目的”があるはずなのに、いつの間にか
「どれなら儲かるか」
「どれが楽か」
という“手段の比較”ばかりに時間を使ってしまうのです。
決断があるから、方法に意味が宿る
ここで思い出したいのが、1961年のケネディ大統領の演説です。

「10年以内に人類を月に送る」という言葉は、当時としては“無謀”とすら言われました。
なぜなら、そのときアメリカには、月へ行くための技術も予算も、具体的な方法もなかったからです。
それでもケネディは“決断”しました。
「やる」と決めた。
だからこそ、人も技術も資金も、すべてが後から追いついたのです。
これは宇宙の話ではなく、私たち一人ひとりのキャリアにも通じます。
「こう生きたい」「この働き方を実現したい」という決断があって初めて、手段が意味を持ち始めるのです。
「決めてから探す」が、迷いをなくす最短ルート
大切なのは、“手段を選ぶ前に、目的を決める”という順番です。
例えば…
- 「副業で何をするか?」ではなく、「副業で得た収入で何をしたいのか?」
- 「転職するべきか?」ではなく、「どんな人生を送りたいか?」
- 「伸びる業界はどこか?」ではなく、「自分が成長したいのはどんな領域か?」
この“問い”の立て方が変わるだけで、進むべき道が見えてきます。
「何をするか?」の前に、「なぜやるか?」を。
それが、迷いの連鎖を断ち切る第一歩です。
2. 未来の自分で考える
「今の自分」ではなく、「なりたい自分」で行動を決める
「このままでいいのか」
「本当は、もっと家族との時間を大切にしたい」
「でも、現実にはやるべきことが山ほどある」
家庭を持ち、仕事ではそれなりに責任あるポジションを任されてくると、毎日が“やるべきこと”で埋まっていきます。
仕事、家事、子どもの送迎、健康診断、住宅ローン、将来の貯金──
一つひとつは大切なことなのに、気づけば「自分がどう生きたいか」を考える余白がなくなっていく。
そんなとき、ふと自分に問いかけてみてください。
「このまま5年後、10年後も今と同じように過ごしていたら、後悔しないか?」
もし心のどこかで「このままじゃマズい」と感じたなら、
必要なのは、“今の自分”を軸にした判断ではなく、「なりたい未来の自分」を基準にした逆算です。
なりたい未来から「今」を見る、という発想
たとえば──
- 「年収を上げたい」と思ったとき、現状のスキルや人脈、評価をもとに選択肢を絞り込んでいませんか?
- 「副業を始めたい」と考えたとき、今の自分にできそうなことだけを探していませんか?
でも、それはあくまで今の延長線の思考です。
それでは、大きな変化は起きにくい。
本当に必要なのは、こういう問いです。
「すでに年収を上げた自分だったら、今なにをしているだろう?」
「副業で成果を出している自分なら、どんな行動を選ぶだろう?」
このように、“未来の理想の自分”をいったん設定して、その視点で今日の行動を逆算する。
これが、決断の土台になります。
「今の自分」が基準だと、可能性は縮む
私たちの脳は、過去の経験と現在の環境をもとに物事を判断しようとします。
だから「自分にはこの程度しかできない」「現実的にはこの道しかない」と、無意識のうちに制限をかけてしまうんです。
でも──
ボブ・プロクター氏はこう言っています。
「今の自分のままでは“今の結果”しか得られない。より高い結果を得たければ、思考をより高い周波数に変えることだ。」
これはつまり、結果を変えたければ、まず思考を変えるしかないということです。
思考が変われば、行動が変わり、行動が変われば結果も変わる。
この流れの起点にあるのが、“未来の自分”を想定することなのです。
未来の自分にチャンネルを合わせるワーク
簡単にできるワークをご紹介します。
✅ ステップ1:ゴールを一文で書く
たとえば、
「2026年4月、家族と沖縄旅行に行けるだけの収入と時間を得ている」
「月1回、週末に子どもと習い事に通える働き方をしている」
✅ ステップ2:その未来の自分が、今日どんな行動をしているか想像する
仕事の仕方は? 時間の使い方は? どんな言葉を使い、どんな姿勢で過ごしているか?
✅ ステップ3:その中から“今すぐできること”に丸をつけて、今日一つだけ実行する
たとえば…
- スキルアップ講座を調べてみる
- 気になる副業サービスの登録をしてみる
- 毎朝の10分を「未来の自分のための時間」にあててみる
ポイントは、“今の自分にできる範囲”でOKということ。
完璧を目指すより、「未来に近づく小さな一歩」を積み重ねることが、結果として大きな変化につながっていきます。
「いつか、そうなれたらいいな」と思っているだけでは、人生は変わりません。
「もう、自分はそうなる」と決めて、そこにチャンネルを合わせて行動すること。
それが、あなたの未来をつくるスイッチです。
3. 「退路を断つ」ことで本気になれる
「逃げ道があるうちは、本気になれない」という現実
「あと半年、今の職場でもう少し様子を見てから考えよう」
「副業は始めてみたいけど、やっぱり家族が落ち着いてから」
「資格の勉強は気になるけど、時間ができたらやろう」
──こんなふうに、自分に“余白”を残しておくことで、心がラクになる瞬間はあります。
責任ある立場にいれば、なおさら慎重にならざるを得ないのも、よくわかります。
けれど一方で、その「余白」が、自分の行動にブレーキをかけてしまっていることも少なくありません。
覚悟が決まると、言い訳が消える
16世紀、スペインの探検家エルナン・コルテスは、新大陸に上陸後、自らの軍船を焼き払ったと伝えられています。

帰り道を断つことで、兵士たちは「進むしかない」という極限の状態に追い込まれました。
結果、アステカ帝国という強大な文明に立ち向かい、勝利を手にしました。
もちろん、私たちの人生は戦ではありません。
でもこのエピソードは、「退路を断つと、人は本気になる」という本質を端的に表しています。
「やるしかない状況」を、自分でつくれるか?
私たちはふだん、無意識に「やらなくても済む選択肢」を残してしまいます。
たとえば、
- 転職活動を始めようと思っても、上司に伝えるのが怖くてズルズル今の職場に残ってしまう
- 勉強を始めようと思って教材を買ったけど、手をつけないまま1ヶ月が過ぎる
- 副業を始めるためにアカウントを作っても、何を投稿するか悩んで結局放置
これ、全部かつての私自身の話です。
「やらない理由」はいつだって山ほどある。
でも、「やらないという選択肢を残したまま」だと、人は本気にはなれない。
頭ではやりたいと思っていても、どこかで“失敗しても戻れる場所”を残しているうちは、行動のギアが“3速”くらいまでしか入らないのです。
私が「退路を断った」ときの話
私が介護業界に舵を切ったのは、40歳を過ぎたころでした。
不動産業界から人事に転職し、さらに国家資格キャリアコンサルタントを取得しようとしていた当時、周囲からは
「なんでいまさら?」
「そこまでしなくても…」
という声もありました。
でも、私はある日、自分の中で腹をくくりました。
「もう迷わない。介護職のキャリア支援を一生の仕事にする」
そう決めてから、行動が一気に変わりました。
介護現場の声を集め、現場職員に話を聞きに行き、書籍や論文を読みあさり、国家資格の勉強にも真剣に向き合いました。
これまでは“忙しい”を言い訳にしていたのに、決めた瞬間、時間は作れるようになったのです。
やるか、やらないかではなく、「やると決めた」から、やれた。
それが、今でも実感として残っています。
家族がいるからこそ、覚悟は強くなる
もちろん、家庭があると「自分だけの都合」で物事を決められない場面もあります。
だからこそ、家族にどう伝えるか、どう理解を得るか、どう支え合うかも重要なテーマです。
でも同時に、家族がいるからこそ、本気になれる理由にもなるのではないでしょうか。
- 「子どもに、自分らしく生きる背中を見せたい」
- 「将来、後悔のない選択をしていたい」
- 「家族と過ごす時間を、自分の人生の中心に置きたい」
そんな“守りたいもの”があるからこそ、「逃げずにやる」と決められるのです。
退路を断つ方法は、人それぞれでいい
コルテスのように船を焼く必要はありません(笑)。
でも、あなたなりの「退路を断つ工夫」は、いくらでも作れます。
たとえば:
- SNSで「○月までにこの資格を取る」と公言する(周囲に見られる覚悟)
- お金を払って講座に申し込む(逃げ道のない投資)
- 家族に「やりきるから見てて」と伝える(背負う宣言)
重要なのは、「逃げられない自分」をあえてつくること。
そこに、人生を動かすほどのエネルギーが生まれるのです。
覚悟を決めた人間の行動には、迷いがない。
そして、その覚悟は「自分の手」でつくることができる。
4. 決断がもたらす“脳の再起動”
人生が動き出すのは、「本気の決断」をしたあとだ
「やったほうがいいのはわかってる」
「時間があれば、いずれ挑戦したい」
「今は無理だけど、いつかは……」
──そう思って、先延ばしにしていること、ありませんか?
でも、一度だけ思い返してみてください。
あなたの人生で、大きく動いた瞬間はいつだったでしょう?
- 結婚を決めたとき
- 子どもが生まれたとき
- 引っ越しや転職を決意したとき
おそらく、「やる」と決めた“あの瞬間”から、世界の見え方はガラッと変わったはずです。
決断は、脳の“優先順位”を塗り替えるスイッチ
人の脳は、放っておけば現状維持を選びます。
慣れた環境、慣れた毎日。
リスクも少なく、楽でもある。
でも、「このままじゃ終われない」と本気で思ったとき、あなたの中で、“脳のOS”が書き換わる瞬間が訪れます。
たとえば──
- 仕事が終わったあと、何気なく観ていたYouTubeを閉じて、勉強を始める
- 飲み会の誘いを断って、自分の時間を確保する
- 通勤中のスマホ時間を、情報収集や発信の時間に変える
こういった変化は、努力ではありません。
決断をした人間の“当たり前”が変わった結果です。
決断は、あなたの“フィルター”を変える
決断をすると、不思議なくらいタイミングよく人や情報が現れます。
偶然でしょうか?
いいえ、これはスピリチュアルではなく、意識の焦点が変わったからこそ起こる現象です。
人は、見たいもの・必要なものしか見えません。
たとえば、赤い車が気になりだすと、街中でやたらと赤い車が目に入るようになるように。
同じように、「副業で成果を出す」と決めた人は、日常の中にそのヒントを自然と拾うようになる。
「子どもとの時間を増やしたい」と決めた人は、働き方や時間管理に対する感度が高まる。
つまり、人生を変えるのは“出来事”ではなく、“視点”なのです。
そしてその視点は、決断によって切り替わる。
人生を変えるのに必要なのは、「100の方法」より「1つの覚悟」
多くの人が「どうすればうまくいくか」を探します。
YouTube、SNS、本、セミナー……無限に情報はあります。
でも本当に必要なのは、「どうやるか?」よりも先に、「やる」と決めることなんです。
「やる」と決めた人は、情報の“洪水”に溺れません。
「これは今の自分に必要」「これは後回しでいい」と、自然と取捨選択できるようになります。
だからこそ、人生を変える起点は、いつも──たった一行の覚悟にあります。
「やる」と決めたとき、あなたの人生のリモコンは“誰か”から“あなた自身”の手に戻る。
もう十分、迷ってきたはずです。
悩んできた、先延ばしにしてきた、いろんな事情があった。
それでも、「このままじゃ終われない」という気持ちがあるなら──
いま、この瞬間がその「決断のタイミング」です。

5. 行動を加速させる三つのステップ
小さな一歩が、未来を変える大きな力になる
ここまで読んでくださったあなたは、もうすでに「変わりたい」と心のどこかで決めているはずです。
でも、次に立ちはだかる壁がある。
それが──
「で、何から始めればいいのか分からない」
そうなんです。
決意はあっても、最初の一歩が重い。
なぜなら、完璧な計画を立ててから動こうとするから。
「間違えたらどうしよう」
「時間を無駄にしたくない」
という思考が、動きを止めてしまう。
でも大丈夫です。
大きな変化を起こす人たちは、みんな最初は“小さな一歩”から始めています。
以下の3つのステップを踏めば、どんな人でも“確実に”動き出すことができます。
✅ STEP 1:ゴールを言語化する
まずは、自分の“向かいたい場所”をはっきりさせましょう。
重要なのは、「いつまでに」「どうなっていたいか」を具体的にすることです。
たとえば:
- 「2026年4月までに、副業で月5万円を安定して稼げるようになる」
- 「1年後には、週末に家族との時間を3時間多く持てる働き方を実現する」
- 「来年の春、家族で沖縄旅行に行ける収入と余裕を手に入れる」
これは、ただの“願望”ではなく“宣言”です。
言葉にすることで、意識の中にコンパスが生まれ、迷いが減ります。
✅ STEP 2:コミットメントを可視化する
次に必要なのは、「やると決めた自分」を周囲に見える形にすること。
なぜなら、人は自分ひとりの約束には甘くなれるからです。
- SNSや日記で「このゴールを目指す」と発信してみる
- 家族に「この勉強を○月までに終える」と伝える
- 仲間に「次に会うときまでにこれをやる」と宣言する
公言することで、心に“責任感”が宿ります。
そして何より、応援してくれる人が現れる土台ができる。
退路を断つのではなく、自分を応援する環境に押し出すような感覚です。
✅ STEP 3:今日、たった一歩を踏み出す
ここまで来たら、あとは行動です。
でも、「大きなこと」じゃなくていい。
むしろ、“小さくて簡単なこと”ほど効果があります。
たとえば:
- 書店に行って気になっていた本を一冊手に取る
- 副業サービスにアカウントだけ作ってみる
- 通勤電車の15分を、いつもと違う学びの時間にする
- 家族に「これからこういうことを考えてる」と話してみる
「それくらいならできるかも」という感覚が、最高のスタートラインです。
大事なのは、“動いたという事実”をつくること。
それが、思考と行動のサイクルを前向きに回し始めるトリガーになります。
大きな成功は、小さな決断と、小さな一歩の積み重ねでしか生まれない。
あなたの未来は、今この瞬間にも変わり始めています。
次のページを開くのか、スマホを閉じるのか。
その“ほんの数秒の選択”すら、未来に続いているのです。
6. よくある落とし穴と対策
「やる」と決めたあとに待っている、“三つの落とし穴”とその越え方
ここまでの流れで、ゴールを描き、小さな一歩を踏み出せたあなた。
でも──ここで油断してはいけません。
人が行動を止めてしまう理由は、やる気がなくなったからではありません。
「意外と小さな“落とし穴”にハマってしまう」からです。
その典型的なパターンを三つご紹介します。
心当たりがあれば、今ここで立て直しましょう。
■ 落とし穴①:ゴールがふわっとしている
「年収を上げたい」「自由になりたい」では、脳が動かない。
このような抽象的な願望は、モチベーションにはなっても、行動の指針にはなりません。
脳は“あいまいな命令”を理解できないため、「何をすればいいか」が見えてこないのです。
たとえるなら、「どこかに旅行したい」と言いながら、地図もスケジュールも持たずに空港に向かうようなもの。
▶ 対策:数字・期限・状態でゴールを“見える化”する
- 「2026年4月までに、月5万円の副収入を得る」
- 「来年の夏、家族で3泊4日の旅行に行くための資金を貯める」
- 「毎朝5時半に起きて、自分のための1時間を確保する習慣をつくる」
こうやって“見えるゴール”にすることで、脳が自動的に「次の一手」を考え始めます。
あとは、それに従って動くだけ。
■ 落とし穴②:「決断」ではなく「方法選び」に迷っている
「転職か?副業か?フリーランスか?」その迷いは、まだ決断ではない。
これも非常に多いパターンです。
本人は「決められない」と思っているけれど、実は“方法”の選択に迷っているだけで、“目的”が定まっていないのです。
▶ 対策:「どうやるか」ではなく、「なぜやるか」から決める
たとえば…
転職も副業も気になっている → 「なぜ気になっているのか?」を深掘る
→「収入を上げたい」→「子どもに習い事をさせたい」「老後資金に不安がある」
→「じゃあ、まず月3万円をどう作るか?」と目的から逆算する
目的がはっきりすれば、手段の優先順位も見えてきます。
「決められない」のは、まだ“決めるべきもの”を間違えているからかもしれません。
■ 落とし穴③:「覚悟」が浅いまま進もうとする
「失敗してもまあ仕方ないや」程度の意識では、脳は本気にならない。
人は、心のどこかで「最悪戻れる場所がある」と思っていると、知らず知らず全力を出しません。
すると、成果も中途半端になり、「やっぱり無理だった」とあきらめる流れに飲み込まれてしまいます。
▶ 対策:「やらざるを得ない仕組み」を自分でつくる
- お金を払って講座に申し込む(投資をしたらやらざるを得ない)
- 仲間に「○日までにやる」と伝える(公言による自分へのプレッシャー)
- 毎週、家族に進捗を報告する(見られている意識)
ここで大切なのは、「自分を信じすぎない」こと。
人間は基本、サボる生き物です。
だから、サボれない環境を“仕込んでおく”ことが、未来の自分への最大のプレゼントになります。
すべての落とし穴は、“想定しておけば回避できる”
- あいまいなゴール → 数字と期限で言語化する
- 方法選びの迷い → なぜやりたいのか?に立ち返る
- 覚悟の不足 → 自分を縛る“仕組み”を先につくる
この3つの視点を持っておくだけで、あなたの行動は途中で止まらなくなります。
「継続できる人」と「途中で止まってしまう人」の違いは、才能じゃない。
道の途中で現れる“つまずき”を、あらかじめ知っているかどうかだけだ。
7. よくある質問(Q&A)
あなたの「でも…」「とはいえ…」に、先回りで答えます。
ここまで読んできて、「よし、やってみよう」と思ってくださったなら本当にうれしいことです。
でも、決意のあとにふっと湧いてくる“ささやかな不安”──その声も、決して無視してはいけません。
ここでは、30〜40代の男性が実際によく口にする・または心の中で抱えがちな疑問や不安を、いくつか取り上げてお答えします。
Q. 決断したのに、やっぱり行動が続きません。
A. その感覚、とても自然なことです。
「決断」は一度きりのイベントではなく、毎日“更新”していくものだと思ってください。
朝起きたら、目標を声に出して読む。
ノートに「今日やること」をひとつ書いてから出勤する。
そんな地味で静かな“再決断”の積み重ねが、本当の意味での継続を生みます。
Q. 家族や同僚に反対されそうで、動きにくいです。
A. あなたの挑戦に、周りが心配するのは自然な反応です。
でも、それはあなたの覚悟や価値ではなく、「相手の不安」に過ぎないのです。
そして不安は、説明してもすぐには消えません。
だからこそまずは、「静かに始める」でもいいんです。
あなたが本気で動き始めれば、その姿が言葉以上に信頼を生みます。
いずれ、「あのとき反対してごめん」と言われる日が来るかもしれません。
Q. リスクが怖いです。失敗したらどうするんですか?
A. リスクが“怖い”のは、「自分を信じきれていない」状態のサインでもあります。
でも、裏を返せばこうも言えます。
覚悟が決まっていれば、リスクは“燃料”になる。
リスクがあるからこそ、人は集中し、真剣になれる。
人生でいちばん本気になった瞬間を思い出してください。
そこには、必ず「逃げられない状況」や「背負うもの」があったはずです。
リスクをゼロにするのではなく、引き受ける覚悟を持つこと。
それが、大人になってからの“本当の強さ”だと、私は思います。
Q. やっぱり自信がありません。こんな自分でも変われますか?
A. 答えは、変われます。絶対に。
なぜなら、あなたは今、この文章をここまで読んでいる。
そして「変わりたい」と思っている。
多くの人は、この記事のタイトルさえスルーします。
もっと多くの人は、途中で読むのをやめます。
でも、あなたは違った。
もうすでに、過去の自分とは一歩違う場所に立っているんです。
あとは、小さくてもいいから動くだけ。
自信は「持ってから動く」ものではなく、「動いたあとに育つ」ものだから。
不安があるのは、まだ諦めていない証拠。
迷いがあるのは、あなたが真剣だからこそ。
そのすべてが、前へ進むあなたの“エネルギー”になる。
8. まとめ
決断が、あなたの人生を再起動させる。
これまでの内容を、もう一度シンプルに言葉にします。
- 決断が先、方法は後。
- 方法を探す前に、「自分はどう生きたいか?」を決めること。
- その決断は、“未来の自分”の視点から逆算すること。
- 覚悟を固めたら、退路を断つ。そして、毎朝その決断を更新する。
- 行動は小さくていい。今日できる「ひとつ」に取りかかる。
- ゴールは、数字と期限で見える形に。
- やる気は、自信は、後からついてくる。
- 落とし穴にはまっても、立て直せばいい。
- 周囲の反対も、恐れも、自分の歩みを止める理由にはならない。
- 自分を動かす力は、もうすでにあなたの中にある。
あなたがこの先、どんな人生を歩むとしても、今日という日は、ひとつの分岐点になります。
このまま“現状維持”の延長に身を置くのか。
それとも、“自分で決めた人生”に、一歩踏み出すのか。
どちらも選べます。
どちらも間違いではありません。
でも、どちらが「本当の自分」でいられるか?
それは、あなたにしかわかりません。
「決断なくして成功は、100%ありえない」
それは、夢を語る人ではなく、“本当に人生を変えた人”たちの共通点です。
スマホを閉じる前に、ぜひやってみてください。
白紙のノートでも、スマホのメモ帳でも構いません。
まずは、あなたのゴールを一文で書いてみてください。
それが、あなたの新しい人生の“スタートライン”です。

あなたの挑戦を、私は心から応援しています。
本記事は、ミリオンセラー書籍『ザ・シークレット』の講演者として知られるマインドセットの第一人者、ボブ・プロクター氏の教えを引用・拡張してお届けしました。
Proctor, B. (1984). You Were Born Rich. Toronto, Canada: McCrary Publishing. ISBN 978-0-920283-00-4.プロクター,ボブ. (2007). 『宇宙を味方にしてお金に愛される法則』 岩元貴久(監訳). 東京: きこ書房. (原著 You Were Born Rich, 1984 年) ISBN 978-4-87771-219-8.プロクター,ボブ. (2013). 『イメージは物質化する――「富」を無限に引き寄せる10法則』 岩元貴久(監訳). 東京: きこ書房. (原著 1984 年) ISBN 978-4-87771-304-1.プロクター,ボブ. (2016). 『イメージは物質化する――「富」を無限に引き寄せる10法則』〈きこ文庫〉 岩元貴久(監訳). 東京: きこ書房. (原著 1984 年) ISBN 978-4-87771-358-4.
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