人は自分の心を映す鏡

雑記

はじめに:人間関係に悩むあなたへ

人と接するとき、「なぜかうまくいかない」と感じることはありませんか?

たとえば、こちらは普通に接しているつもりなのに、なぜか相手が冷たく感じたり、反応がそっけなかったり——。そんな小さな違和感が積み重なると、相手との関係がギクシャクしてしまうこともあるものです。

職場での上司や同僚とのやり取り、家庭内でのちょっとしたすれ違い、そして介護の現場でのご利用者さまや職員との関係——。どんな場面でも人間関係の悩みはつきものです。

でも、少し視点を変えてみると、新しい関係性の扉が開くことがあります。

今回は「人は自分の心を映す鏡である」というテーマで、わたしが介護の現場で体験したエピソードを交えながら、人との関わりにおいて気づいたこと、そしてそこから学んだヒントをお届けしたいと思います。

目次

  1. はじめに:人間関係に悩むあなたへ
  2. 心の状態は相手に伝わる
  3. 認知症の利用者さんとのやりとりから
  4. ギバーになること
  5. おわりに:苦手な相手こそ、やさしく向き合ってみる

心の状態は相手に伝わる

人と人との関係において、最も基本的でありながら忘れられがちなこと。それは「まずは自分から与えること」です。

たとえば、こちらが穏やかな気持ちで、柔らかい表情や声のトーンで接すれば、相手も自然と安心し、穏やかな気持ちで返してくれます。 逆に、こちらが「苦手だな」「怖そうだな」といったネガティブな印象を持っていると、その気持ちは無意識のうちに言葉や表情、姿勢などの“非言語”の部分ににじみ出てしまい、結果として相手も警戒心を抱いてしまうのです。

つまり、わたしたちの心のあり方は、そのまま鏡のように相手との関係に映し出されていきます。
人間関係において大切なのは、相手の態度に反応することではなく、「自分はどう在りたいか」「どんな気持ちで人と関わりたいか」という、自分の内側からの姿勢なのです。


認知症の利用者さんとのやりとりから

先日認知症対応型デイサービスにお邪魔する機会がありました。そこには、いつも誰に対しても攻撃的な態度を取る女性の利用者さんがいました。

私はその方とどう接していいのか分からず、正直言って少し距離を置いていました。

でもあるとき、「苦手だと思わず、まずはこちらから穏やかに向き合ってみよう」と心に決めて、その日から笑顔で話しかけ、丁寧に接することを意識してみたんです。

すると驚くことに、彼女はこれまでとはまったく違う表情を見せてくれたのです。
こちらが質問をすると、一生懸命に答えようとしてくれる。

もちろん、症状によって言葉が荒くなることもあります。
でも、以前のような攻撃的な反応ではなく、「わかってもらえた」と感じるようなやりとりが増えていきました。


ギバーになること

この体験から、私は改めて思いました。

「人は自分の気持ちに反応している鏡のような存在なのだ」と。

だからこそ、相手と良い関係を築きたいと思ったら、まずは自分から近づくこと。 好意を持って接すること。それが何より大切だと思うのです。

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たとえ相手が認知症の方で、こちらの気持ちが“言葉”として伝わらなかったとしても、非言語的な部分、たとえば表情や声のトーン、姿勢などからは確実に伝わっています。

「まずは与える」——これは、介護の現場だけでなく、家庭や職場、すべての人間関係に通じるシンプルだけど大切な原則です。


おわりに:苦手な相手こそ、やさしく向き合ってみる

人間関係で悩んだとき、「相手を変えよう」とするよりも、まずは自分の接し方を変えてみることが大切です。

一度でうまくいかないこともあるでしょう。 しかし、それでもあきらめずに何度でもこちらから好意を示し、相手に関心を持って接していくこと。 その積み重ねが、時間をかけて相手の心を少しずつ開いていきます。

「どうせわかってもらえない」「もう無理だ」と感じるようなときこそ、あえてこちらから歩み寄ってみる。 その姿勢が相手に伝わり、人間関係に小さな変化をもたらします。

苦手だと感じる人に対しても、にこやかに挨拶をしてみる。 感謝の言葉を添えてみる。 ほんの少しだけ丁寧な声かけをしてみる。 そんな“ちょっとしたやさしさ”が、相手の中に安心や信頼を育てていくのです。

人は鏡のような存在。 こちらの気持ちが映し出されるからこそ、自分自身のあり方を大切にしたいものです。

小さな行動の一つひとつが、よりよい関係の第一歩になります。 今日から、できることから始めてみませんか?

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